2006 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系の神経回路形成におけるセマフォリンの機能解析
Project/Area Number |
18021031
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
谷口 雅彦 札幌医科大学, 医学部附属がん研究所, 助教授 (70260346)
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Keywords | 軸索ガイダンス / セマフォリン / 中枢神経 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
複雑な脳神経において機能的な神経回路を形成するために、回路形成過程を制御する軸索ガイダンス分子が存在する。軸索ガイダンス分子としては、スリット,エフリン,セマフォリン,ネトリンが報止されている。セマフォリンは現在までに20種類以上報告されている大きなファミリー分子で、主に反発因子として機能する。セマフォリンの新たな機能解析の目的で新規セマフォリンのクローニングを試みたその結果、2種類のマウスセマフォリンのクローニングに成功した。Sema3GとSema6Dである。Sema3Gは脳特異的という発現様式ではないが、脳では小脳特異的に発現している。レセプターはニューロピリン-2だと考えられ、神経軸索に対する反発活性を持つ。生後、顆粒細胞層などに発現してくるので頼粒細胞の移動に関与していると考えている。Sema6Dは脳に高発現している。脳での発現は胎児から生体に至るまで同しているSema6Dのノックアウトマウスの作成を計画している。また、最近モデル動物としてゼブラフィッシュにも注目して解析しているこのためゼブラフィッシュSema6Dのクローニングを試みた。クローニングに成功したが、この課程においてSema6Eのクローニングにも成功した。Sema6Eはゼブラフイッシュ特異的なセマフォリンである。Sema6DとSema6Eは神経系特異的に発現している。Sema6Dは発生中において菱脳やレンズなどで、成体脳においては小脳に発現している。Sema6Eは発生中においては菱脳やレンズなどで、成体脳では縦隆起に発現している。Sema6D、Sema6Eともに神経軸索に対する反発活性が認められた。これらのことより、初期発生中の神経回路形成に関与している可能性かある。
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Research Products
(3 results)