2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路強化に関わる神経終末カルシウムチャネルの機能解析
Project/Area Number |
18021035
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
持田 澄子 東京医科大学, 医学部, 教授 (30096341)
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Keywords | 神経回路 / シナプス / カルシウムチャネル |
Research Abstract |
幼若ラット(生後7日)の上頸交感神経節胞を単離し、神経成長因子存在下で数週間培養して形成したコリン作動性シナプスのシナプス前細胞核内に脳由来P/Q型Ca^<2+>チャネルα1サブユニットcDNAを導入して、シナプス前終末に正常なP/Q型Ca^<2+>チャネル、カルモジュリン結合domain(ΔCBD)欠損ミュータントP/Q型Ca^<2+>チャネル、IQ domain(IM-AA)ミュータントP/Q型Ca^<2+>チャネル、ΔCBD/IM-AAミュータントP/Q型Ca^<2+>チャネルを発現させ、シナプス前終末における短期可塑性の1現象であるpaired-pulse depressionとpaired-pulse facilitationについて、脳由来P/Q型Ca^<2+>チャネルの活性化パターンの違いによる旨神経伝達物質放出の変化を電気生理学的手法で機能解析することを試みた結果、下記のことが明らかとなった。 1.Paired-pulse depressionはΔCBDP/Q型Ca^<2+>チャネルの発現では観察されないことから、カルモジュリン結合domainに依存していることが判明した。さらに、Ca^<2+>流入直後から80ミリ秒間に起こるが、Ca^<2+>流入直後depressionが最も強いという、時間依存性(濃度依存性)が認められた。 2.Paired-pulse facilitationはIQ domainミュータントP/Q型Ca^<2+>チャネルの発現では観察されないことから、IQ domainに依存していることが判明した。さらに、Ca^<2+>流入後の50-120ミリ秒間に起こるが、80ミリ秒後に最も強いという、時間依存性(濃度依存性)が認められた。 3.ΔCBD/IM-AAミュータントP/Q型Ca^<2+>チャネルを発現させたシナプスでは、Ca^<2+>流入直後から30ミリ秒の間で、弱いpaired-pulse facilitationが起こることが判明した。この結果は、カルモジュリン結合に依存せず、流入Ca^<2+>に依存した弱いfacilitationが起こることを示唆する。
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