2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳特異的Sept7欠損マウスを用いた神経系セプチンスカフォールドの機能解析
Project/Area Number |
18022020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 専 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (30273460)
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Keywords | 細胞骨格 / コンディショナルノックアウト / 小脳 / グリア細胞 / シナプス |
Research Abstract |
セプチンは細胞分裂関連蛋白質として認識されている一方、生体内では非分裂組織である脳に最も多く発現する。このパラドクスを解くため、マウス脳組織におけるセプチン集合形態を解析した。免疫電子顕微鏡連続切片像を3次元再構築した。シナプス近傍やグリア突起における各セプチンサブユニットの分布は多様であったが、100-150nm程度の曲率半径を持つ細胞膜陥凹部直下に共通して集積する傾向が明らかになった。また、長らく謎であったセプチン系の生理機能の一端が黒質-線条体投射路のドパミンニューロンにおいて明らかになったが、脳の他の領域において発見した特徴的なセプチン集合体の機能はいずれも不明なままである。サブユニット間の機能重複によると考えられるこの深刻な問題に対処すべく、構造的にユニークであるために他のサブユニットによって代償されないことが期待されるSept7サブユニットに着目した。Sept7欠損マウスは細胞分裂異常によって初期発生段階で致死となることが予想されるため、コンディショナルノックアウト法を導入した。セプチン系の重要な役割が示唆されている小脳の特定のニューロンやグリア細胞の最終分裂後にSept7を欠損させることでセプチン系を破綻させる計画は順調に進行しており、20年度上半期には第1世代が生まれる予定である。
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