2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18022044
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
古川 貴久 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究部長 (50260609)
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Keywords | 網膜 / 視細胞 / リボンシナプス / マイクロアレイ / 細胞外マトリックス / ノックアウトマウス / 発生 |
Research Abstract |
脊椎動物の網膜は、中枢神経系発生の良いモデルとして知られている。我々は網膜の発生の中で、特に網膜視細胞の発生機構の解明を目指している。我々は以前、視細胞の運命決定の鍵をにぎる因子がOtx2であることを、視細胞特異的コンディショナルノックアウトの系を用いて明らかにした。我々はOtx2コンディショナルノックアウトマウスの網膜(視細胞がまったく形成されない)と正常の網膜の遺伝子発現をマイクロアレイによって発現比較解析し、視細胞の分化、視細胞の形態形成、シナプス形成ならびに機能に重要な遺伝子群をまとめて同定し、視細胞発生のメカニズムの解明を目指している。実際、我々は生後12日目でのマイクロアレイの結果、281遺伝子が再現性を持ってOtx2ノックアウト網膜において有意に低下していることを見いだした。 これらの遺伝子の中から、我々は興味深い発現を示す遺伝子を数個ピックアップし解析を行っている。その中の一つ、視細胞特異的な発現を示し、アグリンにホモロジーのある細胞外マトリックス蛋白質をコードする新規遺伝子pikachurinについて、ノックアウトマウスを作成し生体レベルでの機能解析を行っている。Pikachurinは視細胞リボンシナプスのアクティブゾーンに局在し、KOマウスでは双極細胞樹状突起のリボンシナプスへの陥入が有意に減少していた。網膜電位図では、b波伝達の優位な遅延が認められ、視細胞から双極細胞へのシナプス伝達の遅れが観察された。これらの結果からpikachurinはリボンシナプス形成に重要な役割を果たす細胞外マトリックスタンパク質であることが示唆された。我々は、生後0日、胎生期17.5日でのOtx2ノックアウト網膜のマイクロアレイも行い、生後12日目の解析で単離した他の遺伝子群と合わせ引き続き解析を行っている。
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Research Products
(6 results)