2006 Fiscal Year Annual Research Report
PSD-95パルミトイル化酵素によるAMPA受容体動態制御機構の解明
Project/Area Number |
18022054
|
Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
深田 正紀 国立長寿医療センター, (研究所)・遺伝子蛋白質解析室, 省令室長 (00335027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 優子 国立長寿医療センター, (研究所)・遺伝子蛋白質解析室, 特任研究員 (40416186)
|
Keywords | 脂質修飾 / パルミトイル化 / 酵素 / シナプス / グルタミン酸受容体 / AMPA受容体 / 神経科学 / 生化学 |
Research Abstract |
グルタミン酸受容体の一つであるAMPA受容体は神経活動依存性にシナプスに輸送され、シナプス可塑性の中心的な役割を果たす。最近、私どもは足場蛋白質PSD-95の局在を制御するパルミトイル化脂質酵素(P-PAT)を同定し、P-PATがPSD-95のパルミトイル化を介してAMPA受容体のシナプス膜での発現量を調節することを明らかにした。本研究では1)神経活動によるP-PATの活性制御機構、2)PSD-95の脳内生理的複合体の同定、機能解析により、AMPA受容体の制御機構を明らかにする。本年度の研究実績は以下のとおりである。 PSD-95のパルミトイル化レベルが神経活動によりどのように制御されているかを明らかにするために、代謝ラベリング法とAcyl-Biotin-Exchange法、全反射顕微鏡を用いてパルミトイル化修飾を受けたPSD-95の量の変動を検討した。海馬初代培養神経細胞をグルタミン酸受容体の阻害剤で処理したところ、PSD-95のパルミトイル化レベルはいずれの検出法においても著しく増加した。このパルミトイル化されたPSD-95の上昇はP-PATのドミナントネガティブ変異体により阻害された。すなわち、P-PATの活性はグルタミン酸受容体の下流で負に制御されていることが示唆された。 一方、PSD-95に結合する蛋白質をラット脳から精製し、LGI1、ADAM22およびStargazinを同定した。これら3つの蛋白質は遺伝学的にいずれもてんかんに関連した蛋白質であった。また、分泌蛋白質であるLGI1は膜蛋白質ADAM22を受容体として結合し、ADAM22はPSD-95によりシナプスに裏打ちされることが明らかになった。さらに、LGI1はADAM22と結合することによりAMPA受容体の機能を促進することを電気生理学的に明らかにした。このように今年度の研究計画は達成できたと考えている。
|
Research Products
(9 results)