2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜内配列切断機構の理解による新規アルツハイマー病創薬標的因子の探索
Project/Area Number |
18023010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 泰輔 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (30292957)
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Keywords | アルツハイマー / セクレターゼ / アミロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発症機序に深く関与していると考えられているアミロイドの産生に関わるγセクレターゼによる膜内配列切断機構を理解し、新規アルツハイマー病創薬標的分子を同定するため、ショウジョウバエS2細胞を用いてγセクレターゼ活性調節因子の同定を試みた。その結果、計二十程度の遺伝子がγセクレターゼ活性調節因子として同定された。その機能解析および遺伝子機能のアノーテションの結果から、小胞体-ゴルジ体の輸送がAPPおよびNotch特異的な切断様式を決定していることが示唆された。またバキュロウイルス・Sf9細胞発現系を用いてγセクレターゼの再構成を行い、活性を保持した状態で精製を行った。その画分を用いて電子顕微鏡による観察・単粒子解析による構造解析を行った。その結果γセクレターゼはハート型の形状をしている、長径約500オングストロームの約8メガダルトンからなる構造物であることが明らかとなった。システインスキャン法によりγセクレターゼの膜内活性中心付近に親水性環境が存在することを解明した。PS1の各幕貫通領域がγセクレターゼの性状および活性に対して及ぼす影響について精査した。光親和性標識基をもつγセクレターゼ阻害剤を複数作製し、そのうちジペプチド型阻害剤DAPTがプレセニリン蛋白に対して直接相互作用することを見出した。また天然物の有機全合成における中間化合物を集めたオリジナル低分子化合物ライブラリーを用いてin vitroγセクレターゼ活性アッセイ系を用いたスクリーニングを行い、新規骨格をもつγセクレターゼ阻害剤GS155、GS416の同定に成功した。
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