2006 Fiscal Year Annual Research Report
24ーハイドロキシコレステロール結合蛋白質のアルツハイマー病における意義の解明
Project/Area Number |
18023011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 洋由 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (40167987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴雄 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (50361605)
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Keywords | コレステロール / アルツハイマー / オキシステロール / 脂質結合蛋白質 / 脳 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アルツハイマー病との関連性が示唆されている脳特異的コレステロール代謝産物24-ハイドロキシコレステロール(24-HC:オキシステロールの一種)の作用機構に関して、申請者が独自に見出した24-HC結合蛋白質をターゲットとして、その生理的あるいは病理的機能を明らかにすることである。本年度は、24-HC結合蛋白質ならびに本分子と高い相同性を有するOSBPに関して、以下の点を明らかにした。 ・24-HC結合蛋白質と相互作用する分子を網羅的に探索するため、免疫沈降により24-HC結合蛋白質と共沈する蛋白質をマススペクトロメトリーを用いて解析した。この結果、予想外にも24-HC結合蛋白質がOSBPと結合することを見出した。両者が高発現する脳において発現分布を調べたところ、両分子は共に海馬、大脳皮質、小脳における神経細胞に発現しており、海馬初代培養神経細胞では主に核近傍のゴルジ体において共局在することが分かった。さらに、両者の結合様式により、24-HC結合蛋白質のオキシステロールに対する反応性が変化することを見出した。 ・線虫をモデルとしたゲノムワイドな発現抑制系(feeding RNAi)を用い、オキシステロール結合蛋白質の変異体でみられた胚致死性を増強させるエンハンサー遺伝子のスクリーニングを行った。現在までに全ゲノムの約1/3の遺伝子についてスクリーニングを終了し、数十のエンハンサー遺伝子を同定した。これらの遺伝子は機能的に複数のグループに分類され、オキシステロール結合蛋白質の変異体においても、関連する現象に異常が観察された。
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