2006 Fiscal Year Annual Research Report
ALS運動ニューロンにおけるGluR2RNA編集異常の解析
Project/Area Number |
18023012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
郭 伸 東京大学, 医学部付属病院, 助教授 (40160981)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / RNA編集 / ADAR2 / AMPA受容体 / 脊髄運動ニューロン |
Research Abstract |
我々が明らかにした、孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)脊髄運動ニューロンにおけるグルタミン酸受容体サブユニットGluR2のRNA編集低下の原因を探ることを目的とした。GluR2 Q/R部位のRNA編集は、RNA編集酵素ADAR2(adenosine deaminase acting on RNA type2)により触媒され、ALSにおけるこの部位の編集率低下はADAR2活性の低下に依ると考えられる。このことを明らかにするために、ALS組織におけるADAR2基質のRNA編集率の変化、ADAR2 mRNAの発現レベルを指標としADAR2活性の変化を測定した。凍結保存したALS8〜27例及び正常対照12〜15例の剖検脊髄前角組織単一ニューロン組織を用い、GluR2及びADAR2 mRNAの定量と共に、ADAR2の基質として知られているGluR2 Q/R部位,R/G部位,GluR6 Q/R部位,kv1.1I/V部位の編集率との間の相関性を検討した。これらADAR2基質の間での相関性は見られず、基質ごとに異なる機構によりADAR2によるRNA編集が行われていることが示唆された。これは、正常対照単一ニューロンの検討では、GluR2 Q/R部位が100%に編集されているにもかかわらず、kv1.1I/V部位の編集率は、ニューロンごとに、その前角に占める位置依存性に大きく異なることに明瞭に表れている。孤発性ALSにおける検討から、GluR2 Q/R部位のRNA編集はADAR2 mRNA発現量により規定されると考えられ、他の編集部位ではADAR2発現量に依存しない調節機構が存在する可能性がある。
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Research Products
(11 results)