2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアストレスを介した神経変性疾患の分子機構解明とその治療
Project/Area Number |
18023024
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 重臣 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (70271020)
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Keywords | mnd2 / パーキンソン病 / Omi / ミトコンドリア / アポトーシス |
Research Abstract |
Mnd2 (motor neuron degeneration2)は遺伝性の神経変性疾患モデルマウスで、アタキシア等の症状により生後20日程度で死亡する。神経細胞の脱落変性が疾患の原因である。mnd2マウスの疾患原因遺伝子はミトコンドリアのセリンプロテアーゼであるOmi/HtRA2である。Omiのミトコンドリアでの機能に関しては、これまで明らかにされていないが、(1)unfold proteinの処理を介してミトコンドリアストレスを回避している、(2)permeability transition (PT)抑制している、等の可能性が報告されている。PTはサイクロフィリンD(CyPD)蛋白質の活性に依存してミトコンドリア膜の透過性を亢進させ、細胞死を惹起する現象である。実際、mnd2マウス由来のミトコンドリアはPTが惹起されやすく、CyPDのノックアウトマウスとmnd2マウスを交配したところ、mnd2マウスの部分的な症状回復が観察された。回復が完全ではない事より、mnd2マウスの発症にはPT以外のミトコンドリア機能も関与していると考えられた。 そこで我々は、Omiのミトコンドリアでの役割を明確にするために、Mnd2マウスの線条体からミトコンドリアを単離し機能解析、蛋白質の二次元電気泳動解析を行なった。また、Mnd2マウス線条体の超微形態学解析を行なった。 これらの検討の検討の結果、(1)Omi欠損線条体ミトコンドリアにおいて特異的に発現レベルが変化している蛋白質を複数同定した。このうち、発現レベルの低下している蛋白質はOmiの基質蛋白質であった。(2)Omi欠損線条体の神経細胞では、ミトコンドリアの膨化が顕著であり、アポトーシス様の細胞死形態を呈していた、等の知見を得た。
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Research Products
(6 results)