2007 Fiscal Year Annual Research Report
DBZ/FEZ1遺伝子欠損マウスを用いた統合失調症の発症機序の解明
Project/Area Number |
18023026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 学 Osaka University, 医学糸研究科, 教室技術職員 (30397707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 伸介 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60403193)
服部 剛志 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50457024)
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Keywords | DBZ / Fez1 / DISC1 / 統合性失調症 / PACAP / NGF / 神経細胞 / 神経突起進展 |
Research Abstract |
統合失調症は有病率が約1%と非常に高い若年発症型の精神疾患である。その症状は非常に多様であり現時点においてその発症機序の解明は進んでおらず非常に治性の精神疾患である。そこで我々は統合失調症の発症メカニズムを解明する事を目的に統合失調症関連因子として報告されたDISC1に注目しその機能解析に着手した。機能解析を進めるにあたりYeast-two-hybrid法によるDISC1結合パートナーのスクリーニングを行った結果、Fezl、DBZ、Kendrinという3因子を同定した。既に我々はFez1、DBZがアクチン骨格に作用し突起伸展作用に影響する事、またKendrinが微小管形成に作用し細胞の形態維持に働いている事を明らかにしてきた。 本年度、DBZ、FEZ1ノックアウトマウスの作製はヘテロマウスの戻し交配に入りSPF化を完了しF2世代に入っている。また今回In situ hybridization法によりマウス胎生期脳におけるDBZ mRNAの詳細な脳内局在を検討した。その結果、胎生期脳におけるDISCI mRNAの発現パターン(報告済)と同様にDBZ mRNAもまた胎生期において広範囲に強く発現が認められた。特に大脳皮質、線状体においてその発現は非常に強く認められた。さらに今回DBZの細胞内での機能解析を更に詳細に行うため、その細胞内局在を293T細胞、PCI2細胞、 N2A細胞を用いて免疫染色にて検討した。その結果、1、中心体、又はactin骨格に一致して存在する事、2、免疫沈降法を用いた検討によりactinとDBZの結合が認められる事を見出した。以上一連の結果は、DBZがアクチン骨格でDISC1との相互作用を介して細胞骨格の制御を通じて神経回路形成において重要な役割を果たしている可能性を示唆しており、また統合失調症発症に神経発達異常が関与している可能性を示すものである。
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Research Products
(2 results)