2007 Fiscal Year Annual Research Report
NMR構造生物学による神経変性疾患の発症機構の解析
Project/Area Number |
18023032
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 芳樹 The Institute of Physical and Chemical Research, 糖鎖構造生物学研究チーム, チームリーダー (90323451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211849)
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (90234575)
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Keywords | 蛋白質 / 脳神経疾患 / 分子認識 / 薬学 |
Research Abstract |
神経変性疾患に関与するタンパク質のオリゴマー化・繊維化を阻害する薬物を開発することは、疾患の治療や予防に大きく貢献することが期待される。本年度は、糖脂質とタンパク質の超分子形成および天然変性状態にあるタンパク質同士の相互作用に着目して、アミロイドβ-タンパク質(Aβ)、α-synucleinの超高磁場NMR解析を行った。 1.NMRによるAβ-GM1複合体の構造解析 神経細胞膜に豊富に存在するガングリオシドGM1はAβ重合促進の環境因子の1つとして注目されており、GM1-Aβ複合体が核となってAβの凝集が促進される可能性が報告されている。GM1-Aβ複合体の形成過程およびその凝集メカニズムの構造的基盤を明らかとするため、安定同位体利用NMR法により解析を行った。920MHzの超高磁場NMR装置を利用した計測を行った結果、これまでは観測が困難だった糖脂質ミセルに結合した状態のAβのNMRシグナルを観測することに成功した。さらにNOEや飽和移動を利用したNMRスペクトルの解析から、AβとGM1の相互作用様式が糖鎖部分のみならず脂質部分の集合状態に規定されていることを明らかとした。 2.α-synucleinオリゴマーの構造解析 神経変性疾患に関与するタンパク質のオリゴマーは細胞毒性との関係から広く注目されているが、オリゴマーの立体構造と活性についての関係はほとんど解明されていない。我々はα-synuclein単量体の構造的知見をもとに、α-synucleinオリゴマーの超高磁場NMR解析を行うことに成功した。その結果、オリゴマーの構造と細胞毒性を議論するための基礎が整った。
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Research Products
(10 results)