2006 Fiscal Year Annual Research Report
線虫をモデルとしたタウオパチーの分子メカニズムの解析
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18023034
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三谷 昌平 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90192757)
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Keywords | タウオパチー / トランスジェニック / 線虫 / 分子メカニズム / 神経細胞死 |
Research Abstract |
タウオパチーは神経細胞死を起こすことで、認知証などの疾患の原因となっていると考えられる。我々は、タウオパチーの分子メカニズムを解明するために、線虫神経系にトランスジェニックとして、FTDP-17型変異体あるいは野生型タウを強制発現し、表現型の再構成を行うことに成功した。このトランスジェニック個体を用いて、gene chip解析を行い、候補遺伝子の絞り込みと機能解析を行っている。 これとは並行して、神経細胞死の原因の1つとして知られる小胞体ストレスの分子メカニズムの解析を行っている。線虫で、gon-1(ADAMTSメタロプロテアーゼ)変異体は生殖腺の伸長に異常が見られることが知られていた。オルガネラマーカーにより、この時に、小胞体の形態に異常が出ることが分かった。そこで、小胞体ストレスのマーカーであるhsp-4(BiP)のトランスジェニックで調べたところ、gon-1遺伝子のノックダウンにより、誘導を受けることが分かった。Gon-1表現型は、同時にdpf (dipeptidyl peptidase IV)遺伝子の機能低下を起こすことで、抑圧される。dpf遺伝子のノックアウト株と、そのトランスジェニック株を用いて、dpf遺伝子の細胞内発現およびペプチダーゼ活性が重要であることが明らかになり、DPF蛋白質の細胞内過剰発現により、小胞体ストレスが起こることが分かった。さらに、dpf遺伝子は、通常は、IRE-1/XBP-1のパスウェイを介してGon-1表現型を抑圧していることが明らかになった。これらの小胞体ストレスに対する線虫での分かった現象をヒト細胞で確認するために、HEK293細胞にADAMTS9のsiRNAあるいは、線虫のdpf遺伝子とトランスフェクトしたところ、同様の小胞体ストレスが起こることが確認された。
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Research Products
(10 results)