2007 Fiscal Year Annual Research Report
ネプリライシンの活性低下による神経病理と活性増強機構の解析
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18023037
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩田 修永 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経蛋白制御研究チーム, 副チームリーダー (70246213)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβペプチド / ネプリライシン / ピログルタミン酸 / アミノペプチダーゼA / グルタミルサイクラーゼ / 老人斑 / 病態モデル |
Research Abstract |
ネプリライシン遺伝子を欠損したアミロイド前駆体蛋白質トランスジェニックマウス(NEP-KO×APP-tgマウス)を作成し、加齢に伴う脳のアミロイド病理について解析した。種々のAβN末端認識抗体を用いて免疫組織染色を行うと、N末端配列がDAEから始まる分泌型Aβの蓄積はAPP tgマウスに比較しNEP-KO×APP tgマウスでは有意であるが顕著ではなかった。しかし、3pyroE型AβのN末端認識抗体による免疫染色ではNEP-KO×APP tgマウス脳では顕著に蓄積が加速した。3pyroE型Aβ陽性アミロイド斑の増加量はAβ1(aspartic acid)-x陽性アミロイド斑よりも、thioflavin陽性シグナルと良い相関性を示した。また、ウエスタンブロット解析ではギ酸抽出画分に加えて可溶性画分からも3pyroE型Aβの上昇が観察されることから、このAβのN末端修飾はアミロイド斑形成前に生じると考えられた。一方、放射性同位体で標識したAβ1-42とA3(pyroE)-42を化学合成してラット海馬に注入しin vivoにおける分解速度を比較したところ、Aβ3(pyroE)-42はAβ1-42に比較して分解され難いことが判った。3pyroE型Aβの産生はネプリライシン活性の低下によって生理的分解経路が遮断された場合に加速し、アミノペプチダーゼ/ジペプチジルペプチダーゼやグルタミルシクラーゼが関与する副経路を経由して起こると考えられる。このように、ネプリライシン活性が低下するとヒトに類似するアミロイド病理が現れることが明らかとなり、AD脳でネプリライシン活性が低下している事実と一致する。また、凝集性が高く分解抵抗性を示す3pyroE型Aβの産生に関わるグルタミルサイクラーゼの活性阻害がネプリライシンの活性増強と同様にAβ蓄積を抑制する新たな作用点になることが示唆された。
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Research Products
(7 results)