2007 Fiscal Year Annual Research Report
双極性障害における小胞体ストレスおよびミトコンドリア機能障害の意義についての研究
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18023039
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 忠史 The Institute of Physical and Chemical Research, 老化・精神疾患研究グループ, グループディレクター (30214381)
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Keywords | 双極性障害 / 動物モデル / バルプロ酸 / 断眠 / 電気けいれん療法 / ミトコンドリアDNA |
Research Abstract |
双極性障害のモデルマウスと考えられるmPOLG-トランスジェニックマウス、および野生型マウスに、気分安定薬であるバルプロ酸を投与し、輪回し行動量の周期的変動に対する効果を計測した。バルプロ酸は、餌に混入し、2週間投与した。終了後、血中濃度を測定し、治療濃度範囲にあるかどうかを確認した。オスは治療濃度に達していなかったため、メスについて、効果を検討した。その結果、リチウムにおいて観察されたような、トランスジェニックマウスの周期的行動変化や日内リズムの異常に対する改善作用は見られなかった。また、しばしば躁転を引き起こすことが知られている断眠を加えることが、このマウスに躁転様の行動変化を引き起こすかどうかを検証するため、断眠を行った。6匹のトランスジェニックマウスおよび4匹の野生型のマウスに関して、12時間の断眠を行った。その結果、断眠はマウスの輪回し行動量に顕著な変化を引き起こさなかった。次に、双極性うつ病を含む、うつ状態に対し、顕著な効果が知られている通電療法(ECT)の有効性を検証するため、トランスジェニックマウスにおいてECTを施行した。15-50mAの通電を毎秒60パルスにて行った。トランスジェニックマウスおよび野生型マウスに対し、2週間に6回、あるいは1週間に3回のECTを施行した。その結果、トランスジェニックマウスで見られる日内リズムの異常が顕著に改善した。ECTの効果があることは、本マウスがうつ状態としての予測妥当性を満たしていることを示していると考えられた。
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Research Products
(2 results)