2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳内コレステロール代謝調節によるアルツハイマー病発症予防・治療に関する研究
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18023046
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
道川 誠 国立長寿医療センター, (研究所)・アルツハイマー病研究部, 部長 (40270912)
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Keywords | アルツハイマー病 / コレステロール / アポリボ蛋白E / HDL産生 / ABCA1 |
Research Abstract |
目的:(1)ApoEやABCA1等によって担われる脳内コレステロール代謝の主要経路の解明とHDL産生におけるApoEアイソフォーム依存性の分子機構の解明(細胞外ApoE作用)。(2)ApoEあるいはABCA1の機能制御による脳内コレステロール代謝調節を通してのアルツハイマー病病理発現の抑制法の開発。(3)細胞内ApoE輸送機構ならびに細胞内ApoE機能の解明(細胞内ApoE作用)。 方法:(1)ラット大脳皮質から調整した神経細胞培養に各種ApoE等のアクセプターを投与し培地へ放出された脂質(コレステロールおよびリン脂質)を定量する。ApoEは、ヒトApoE3, ApoE4,変異ApoE4、22kDa-ApoE3ならびにApoE4断片、10kDaのC末端断片を用いる。(2)脳内HDL産生を増強させる薬剤スクリーニングを確立し、薬剤探索を行う。(3)FLAG-ApoEリコンビナント蛋白質を用いたアフィニティーカラムを用いた実験から、ApoEに結合しうる蛋白質を同定後、その機能解析を行う。 結果:(1):(i)ApoEによるコレステロール搬出はN末端断片のみでアイソフォーム依存的である、(ii)その理由はApoE3 N末端断片が持つシステイン間によるdisulfide結合による2量体形成(分子間相互作用)にある、(iii)C末端断片はそれ自体ではコレステロール搬出能が弱いが、N末端断片の作用を相加的に修飾する、(iv)しかしApoE4では、ドメイン相互作用のためC末端断片が相加的に働かない(分子内相互作用)ことを明らかにし、ApoEアイソフォーム特異的HDL産生機構のほぼ全容が明らかにした。(2)薬剤スクリーニング系を確立し、複数の薬剤ライブラリーを用いて探索を開始した。(3)細胞内でApoE4に特異的に結合する蛋白質を複数同定することに成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Alteration of the glutamate and GABA transporters in the hippocampus of the Niemann-Pick disease, type C mouse using proteomic analysis.2007
Author(s)
Byun K, Kim J, Cho S-Y, Hutchinson B, Yang S-R, Kang K-S, Cho M, Hwang K, Michikawa M, Jeon Y-W, Paik Y-K, Lee B
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Journal Title
Proteomics 282
Pages: 2646-2655
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[Journal Article] Ethnicity-dependent genetic association of ABCA2 with sporadic Alzheimer's disease.2006
Author(s)
Wollmer MA, Kapaki E, Hersberger M, Muntwyler J, Brunner F, Tsolaki M, Akatsu H, Kosaka K, Michikawa M, Molyva D, Paraskevas GP, Lutjohann D, von Eckardstein A, Hock C, Nitsh RM, Papassotiropoulos A
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Journal Title
Am J Med Genet B Neuropsychiatr Genet 185
Pages: 21-26
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