2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18026008
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
大向 一行 国立天文台, 理論研究部, 上級研究員 (70390622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西合 一矢 国立天文台, 理論研究部, 研究員 (30399290)
山田 雅子 国立天文台, 理論研究部, 研究支援員 (10419848)
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Keywords | 星形成 / 星間現象 |
Research Abstract |
星間空間で生起する星形成などのさまざまな現象に関しては、いくつかの理論モデルがあるものの、それが観測的には十分に実証されているとはいえないものが多い。本研究課題では現在建設中のアルマ望遠鏡を始めとするサブミリ波帯域での観測により、これらの理論モデルを実証することを目的としている。そのため、本年度の研究では、星間現象の諸問題のうち、(1)ファーストコア天体、および(2)熱不安定性により生じた二相星間媒質の観測的性質を調べた。これらにつき以下で述べる。 (1)最も若い段階の原始星であるファーストコア天体は、星のその後の進化を考える上で、きわめて重要であるが、観測的にはまだ見出されていない。そこで、将来の発見の手がかりとするため、1次元および3次元流体計算モデルを用いて、それに対して輻射輸送計算を行うことにより、観測的性質を調べた。その結果、原始星表面からのショックが直接見える場合には、中間赤外域に輻射のピークが現れるのに対し、エンベロープを通してみた場合にはサブミリ波として観測されることが分かった。またその光度の値の進化も計算した。 (2)星間媒質は、星間ガスの熱不安定性により、暖相と寒相の二相から成り立っていると考えられている。またこの二相気体としての性質が、星間に普遍的に観測されている乱流の原因である可能性もある。この可能性を検討するため、もしこれらの2つの相が非常に稠密に混合しており、空間分解できない場合に、COなどのライン比に特徴的な傾向が見られないか調べた。その結果、寒暖二相の境界領域の影響により、通常よりも高励起状態からの輝線放射が卓越することが見出された。
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