2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18029008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 幸仁 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50312640)
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Keywords | 金属ガラス / ナノ構造 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査電子顕微鏡 |
Research Abstract |
(1)金属ガラス材料表面の平坦化方法の体系化 AFMを用いて固体表面上の原子・ナノ構造を観測するためには、その表面を原子・ナノレベルで平坦化しなければならない。そこで本年度は、(a)ダイヤモンド電着ワイヤー切断機などを使った金属ガラス材料の切出し、(b)バフ研磨、ダイヤモンドペースト研磨による鏡面仕上げ、また(C)イオンミリングによって金属ガラス表面が原子レベルにおいて平坦で、かつ不純物の影響を受けない表面処理を行うことが可能であることを明らかにした。 (2)加熱による結晶化構造のナノレベルにおける観測 平坦化を施した表面において、金属ガラスのマイクロ組織構造、ナノ構造、ならびに稠密無秩序充填構造などの構造的特徴の観測を実行した。また、試料温度をガラス転移点近傍まで加熱することによって、ナノ準結晶生成に拘わる構造的変化を捉え、これらの構造生成の知見を得ることに成功した(Applied Physics Letters印刷中)。 (3)剪断破壊後の破断面におけるナノワイヤー、ナノチューブ構造の観測 破壊試験後の金属ガラス破断面では、ヴェインパターンと呼ばれる特殊な構造が30年以前から研究されてきたが、今回、我々の走査プローブ顕微鏡ならびに走査電子顕微鏡を用いた詳細な観測において、これらの破断面では、金属ガラスの粘性に特有なナノ構造が出現することを見出した(論文投稿準備中)。
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