2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18029009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
CHEN Mingwei 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20372310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 武志 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90363382)
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Keywords | 金属ガラス / 機械特性 / 電子顕微鏡 / 硬度試験 |
Research Abstract |
・局在化したせん断帯によるひずみ軟化は、せん断帯内での応力集中によって生じたナノ結晶によって阻害され、その結果大きな延性とひずみ硬化を示すことを、高分解能電子顕微鏡により明らかにした。これらの観察により、大きな延性の原因を明らかにしただけでなく、金属ガラスの延性を改善するための変形メカニズムを明らかにした。 ・バルク金属ガラスのひずみエネルギー評価をナノインデンテーションを用いて行った。4つの金属ガラスの弾性エネルギーは、それぞれの弾性定数と理論的強度から見積もられる計算値とほぼ一致した。これにより、金属ガラスの弾性特性を正確にかつ簡単に測定する手法を確立することができた。 ・金属ガラスのマイクロ円柱試験片を圧縮するときの破断応力のサイズ効果について系統的に調査を行った。5μmの直径のところで、破断強度に大きな違いが生じ、このサイズ以下では破断強度が単調に減少した。このことから、5μmが、せん断帯核生成に必要なサイズであることがわかった。 ・2元系CuZr金属ガラスについて注目し、まず中距離規則構造の評価を行い、次に剛性率の計算を第一原理計算により行った。第一原理計算には、平面波基底密度汎関数法パッケージVASPを使用した。擬ポテンシャルは、Vanderbiltによるウルトラソフト型擬ポテンシャルとし、交換相互エネルギーの近似にはPerdewとWangによって提案されたGGAを採用した。その結果、Cu30Zr70では原子数10が最もよく観察されるが、Cu濃度が高くなるにしたがい、12へとシフトしていることがわかった。そして最も高いガラス生成能を示すCu50Zr50では原子数10から12までほぼ同等に存在しているのがわかった。また、ランダム構造の原子配列にもかかわらず、自由エネルギーがMumaghanの式にうまくフィッティングされて、Cu50Zr50の剛性率は107GPaと計算された。これは実験値101.2GPaに近いことがわかった。
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