2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18029021
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
吉田 光彦 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (40042254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 真 宮城工業高等専門学校, 総合化学系理数科, 教授 (40042262)
今野 一弥 宮城工業高等専門学校, 総合化学系理数科, 助教授 (80270198)
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Keywords | バルク金属ガラス / マグネシウム / TEM / 脆化 / EXAFS |
Research Abstract |
平成18年度はMg_<98>Cu_1Y_1およびMg_<98>Cu_1Gd_1合金中の結晶粒内に分散析出したLAL(長周期積層構造相(LPSO)/非晶質(A)/長周期積層構造相(LPSO))組織の実態と生成機構を調査した。その結果、両合金中に大きさ100nm程度のLAL組織が観察された。TEM-EDX分析の結果、LAL相を構成するLPSO相および非晶質中の合金組成は異なり、Mg_<98>Cu_1Y_1の場合、それぞれMg_<80>Cu_<15>Y_5およびMg_<67>Cu_<28>Y_5であった。一方、Mg_<98>Cu_1Gd_1合金ではそれぞれMg_<91.4>Cu_<5.4>Gd_<3.1>およびMg_<87.4>Cu_<9.1>Gd_<3.5>であった。これらの値は何れも母相中の濃度より高い値を示している。また、Cu,Y,Gd元素濃度はLPSO相よりも非晶質相の方が高い値を示した。 LAL相の生成機構としては、急速凝固する際、Mg母相中に生じたCu,Y,Gd富化領域が非晶質相を形成し、更に凝固が進行する際、Mg母相と接していた非晶質部分がCu,Y,Gdを富化しながらLPSO相に変態(結晶化)し、残存非晶質相を取り囲むような形で成長する機構が考えられる。 次にMg-Cu-Y系合金におけるLPSO構造の種類には10H,18R,14Hおよび24Rの4種類の構造が存在した。10H,18R,14Hおよび24Rの出現順序はY/Cuの高い順に、また、積層欠陥密度の高い順に出現することが判明した。この結果は、LPSO構造の支配因子として添加元素量が重要な役割を果たすことを示唆する。 また、溶融急冷法で得られたMg_<75>CU_5Ni_<10>Gd_xY_<10-x>合金は全て非晶質で過冷却液体領域が得られたが、鋳型鋳造法ではx=10,x=7.5の場合のみバルク金属ガラスであった。また、得られた試料は良好な変形能(延性)を示さなかった。
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Research Products
(4 results)