2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプラズマリアクターの非定常操作による新反応場の構築
Project/Area Number |
18030005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 秀俊 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (50226643)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 触媒・化学プロセス / 部分酸化 / 非定常操作 / マイクロプラズマリアクター / プロパン |
Research Abstract |
この研究では、反応ガスの周期的変動操作とプラズマのOn-Off制御を同期させる非定常操作を触媒の導入とともに行い、この反応解析を通してマイクロプラズマリアクターの有する特徴を明確に示すことから、新しいプラズマ化学反応操作としてのマイクロプラズマリアクター技術の基礎学理を確立することを目的とするものである。この非定常操作では、有機物導入中はプラズマを点火させず、酸素供給中にプラズマを点火させ、酸素活性種の保持や反応促進のため触媒を導入する。この操作により有機物はプラズマに曝されず、また酸素ガスとも混合されず、そして触媒上に保持された酸素活性種のみが有機物導入中に反応し、部分酸化が進む。これら一連の操作により、マイクロプラズマリアクターの特性が十分活かされ、反応の高効率化が図られると考えられる。平成18年度は、反応系としてプロパンからプロピレンへの部分酸化反応を、充填層型プラズマ反応器を用いて検証した。触媒にはV_2O_5/γ-Al_2O_3を用いた。電源は100Vの商用電源をスライダックで可変し、これをネオントランスで昇圧したものである。反応器全体を電気管状炉で囲み反応器温度を調節した。周期的変動操作には、PCに接続されたマスフローコントローラとソリッドリレーを用い、前者によりPCから出力されるアナログ信号でプロパン、酸素の流量を調節し、後者でプラズマ電源のスイッチのOn-0ffを制御した。実験の結果、プロパンの転化率に関しては、酸素供給時にプラズマを発生させた非定常操作の効果が確認されたが、プロピレンの選択率は向上せず、COやCO_2への転化が進行する結果となった。得られた結果や従来のアンエアロビック酸化の報告を考察すると、V_2O_5の酸化状態が反応選択率に大きく影響すると考えられ、この酸化状態をうまくコントロールできると期待される効果が得られると推測された。
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Research Products
(1 results)