2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18030008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北野 勝久 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (20379118)
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Keywords | マイクロプラズマ / 液中プラズマプロセス / ナノ粒子 / プラズマ重合 / 低周波大気圧マイクロプラズマジェット / プラズマ滅菌 / 電子スピン共鳴法 / 大気圧プラズマ |
Research Abstract |
大気圧下にて簡単に生成可能なLF(Low Frequency)マイクロプラズマジェットの生成と応用に関する研究を進めてきた。従来に無いシンプルな高電圧単電極構造にもかかわらず、50μmから50mmと多様なサイズにて一様なプラズマ生成を実現している。低温なプラズマという特徴を有しており、熱負荷を与える事無く電子やラジカル等の活性種を非照射物に供給することが可能であり、液体、有機物、人体などのソフトマテリアルを非破壊でプラズマ処理する事が可能である。 本方式によるプラズマジェットを液体に照射して行う"液中プラズマプロセシング"においては、液体そのものや液中溶解物に対する先進的な反応場としての利用が期待され、これまでに、液中イオンの還元によるナノ粒子合成、液中モノマーの重合による高分子合成、液中細菌のラジカル滅菌、等に関する先進的な研究成果が得られた。特に液中滅菌の研究においては、液中のラジカル反応が重要で有ることが示された。液体のpHが4.8以下で強力な滅菌効果が得られたが、これは気相中の酸素が由来のスーパーオキシドアニオンラジカルが液中に生成され、液中のプロトンとラジカル平衡関係(pKa=4.8)を保っていることから、p4.8以下でより滅菌力の強いヒ.ドロペルオキシラジカルがより多く生成されることだと結論づけた。また、液体表面に接するプラズマが生成する液中ラジカル診断のためにラジカルトラップ電子スピン共鳴法を用いることを提案したところ、各種ラジカルが生成されることが確認された。 以上に示したように、液中プラズマプロセスに関して、プラズマ生成、応用、反応機構の解明に関する研究に関して、先進的な研究を行えたと結論づけることが出来る。
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