2006 Fiscal Year Annual Research Report
透明固体内に生成されたマイクロプラズのダイナミックス計測
Project/Area Number |
18030010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 龍雄 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (90127994)
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Keywords | マイクロプラズマ / 発光スペクトル / 時間分解スペクトル / シリコン / ゲルマニウム / 炭素 / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,パルスレーザー光により透明固体媒質内,あるいは固体一固体の界面に生成されるマイクロプラズマのダイナミックスの解明である.そのようなマイクロプラズマは,高温・高圧を容易に生成できるので,新しい材料創製の場として観点から研究を実施した.その結果,次のような成果が得られた. 1)多様なマイクロプラズマを生成するため,吸収性の固体表面に透明な石英ガラスを密着し,ガラス側から吸収体表面にレーザー光を集光照射して,固体-固体界面にマイクロプラズマを生成した. 2)炭素とガラス,Geとガラス界面に発生したマイクロプラズマの時間積分スペクトルを測定した.その結果,大気中でカーボンやGeのマイクロプラズマを発生した場合,材料固有のスペクトルが観測されるのに対して,ガラス-固体界面に生成したプラズマでは,材料によらないブロードなスペクトルとガラスが気化したと思われるシリコンの発光線が得られることを明らかにした. 3)時間分解発光スペクトルの計測装置を構成した.前述のブロードなスペクトルはプラズマ生成後100ns以内の初期に現れ,シリコンの発光線はプラズマ生成後150ns以降に現れることを明らかにした. 4)プラズマ生成後のGeやカーボン,ガラス表面を走査型電子顕微鏡で観察した.その結果,ガラス表面は非常にスムースにエッチングされていることが分かった.これは,ガラスの微細加工に利用できる可能性がある.一方,プラズマ周辺部の堆積物を観察したところ,鎖状のナノ構造を持つ得意な堆積物質も観察された.
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