2006 Fiscal Year Annual Research Report
固体壁微小空間における高電離度マイクロプラズマの生成
Project/Area Number |
18030013
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤山 寛 長崎大学, 大学院生産科学研究科, 教授 (20112310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 正典 長崎大学, 工学部, 助手 (80346931)
|
Keywords | プラズマ / マイクロプラズマ / 小型化 / 低気圧 / 電離度 |
Research Abstract |
本研究は,低気圧,短ギャップ条件下における特異な条件で生成できる2nd Harmonic ECRマイクロプラズマの診断を目的として研究を行った.固体壁に囲まれた小さな閉空間プラズマでは,放電そのものが固体壁の影響を強く受けるのみならず,壁の状態がプラズマパラメータにフィードバックされる.すなわち,電子の壁への損失が極めて強くプラズマパラメータに反映される.昨年度の研究で,二次電子放出係数の高いMgO電極壁を有する閉空間マイクロプラズマでは,2^<nd> Harmonic ECR条件で電子密度が最大,ECR条件で電子密度が最小となる結果が得られた.これはSUS電極と定性的に同じ結果である.しかしながら,壁との相互作用が激しいECR条件でのマイクロプラズマは,壁の影響を強く受けて電子密度の増加率が最大となるという興味ある結果が得られた.この考察を裏付けるように,電子の閉じ込めの良い2^<nd> Harmonic ECR条件付近では,SUS電極をMgO電極に代えても電子密度がほとんど変化しない結果となった. 本研究では,閉空間マイクロプラズマならではの"マイクロプラズマらしさ"を観測することができたが,十分満足できる結果ではない.その理由は,プラズマとシースのサイズが拮抗しているためにプローブ計測の信頼性が乏しく,比較的サイズの大きなギャップ長3.5mmでの観測しかできなかったことによる.真にマイクロプラズマらしさを追求するためには,サイズを極限まで小さくしたプラズマのレーザーや発光分光法などを用いた非接触型の光学的診断技術が必要である.プラズマと接する固体壁の表面積とプラズマ体積の比が従来プラズマとマイクロプラズマを分ける重要な指標となる。マイクロプラズマの研究は,サイズを変化させることによって初めて研究できるので,これを今後の課題としたい.
|