2006 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界・亜臨界流体中で形成するプラズマ等の物質変換・再資源化への応用
Project/Area Number |
18030014
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐々木 満 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40363519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 元信 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (80170471)
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Keywords | 超臨界 / 二酸化炭素 / パルス放電プラズマ / アーク放電 / トコフェロール / 大豆油 / エステル化反応 / 亜臨界水 |
Research Abstract |
我々は、環境にやさしい技術である超臨界流体技術およびパルスパワー技術を融合させ、新たなる反応場の構築を目的として本研究を遂行した。特に、本複合技術の化学反応場としての利用可能性を見極めるために、3種類のモデル物質を利用した超臨界二酸化炭素中での放電プラズマ反応実験を実施し、その反応挙動を調べた。実験には内容積1.3Lを有する高温高圧用プラズマ発生・反応装置を用いた。セル中の電極は、針(またはカミソリの刃)から平板に向かって放電を行わせる形状とした。モデル反応系は次の3つとした。 (1)トコフェロールのメチル化反応 (条件)トコフェロール4ml、メタノール20ml、反応温度40℃、圧力15MPa、印加電圧10-16kV、放電回数10000回. (2)大豆油のエステル交換反応 (条件)大豆油4ml、メタノール20ml、温度40℃、圧力18MPa、印加電圧10-16kV、放電回数10000回. 結果として、実験(1)について、β-、γ-、およびδ-トコフェロールを超臨界二酸化炭素中での放電によりメタノールと反応させてα-トコフェロールに変換する実験を試みたが、α-トコフェロールの増加は見られなかった。次に大豆油とメタノールをサンプルとして同様に放電実験を行ったところ数種の脂肪酸エステルが生成した。この結果から、超臨界二酸化炭素中で放電を行うことによりトリグリセリドから脂肪酸エステルが生成するエステル交換反応が起こっている可能性が示唆された。次年度は、超臨界二酸化炭素中での放電プラズマ形成による化学反応メカニズムの解明を目指していきたい。また、亜臨界水中における放電プラズマ形成と化学反応実験に着手する予定である。
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Research Products
(4 results)