2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド性蛋白質のコンフォメーション変移とその伝播性の解明
Project/Area Number |
18031024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 義隆 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (60335354)
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Keywords | 蛋白質 / 高分子構造・物性 / 神経科学 / 脳神経疾患 / 伝播性 / 神経変性疾患 / ボリグルタミン病 / アミロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病、ポリグルタミン(PolyQ)病などの神経変性疾患では蛋白質の構造異常・凝集が発症に深く関わると考えられており、コンフォメーション病/フォールディング病と総称されている。PolyQ病では、原因蛋白質内のPolyQ鎖の異常伸長(>40)により、PolyQ鎖自身がβシート構造への異常コンフォメーション変移を獲得し、その結果オリゴマーへと重合して難溶性のアミロイド線維状凝集体を形成して、最終的に発症に至ると考えられている。最近、難溶性のアミロイド線維よりもむしろ可溶性の微細なオリゴマーの方が強い細胞毒性を持っと考えられるようになったが、生体内でのPolyQ蛋白質オリゴマー形成については未だ十分には解明されていない。そこで本研究では、蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy; FCS)を用いた解析を行い、以下の成果を得た。 1.PolyQ-GFP蛋白質をCOS-7細胞に発現させ、細胞溶解液について経時的にFCS解析を行った。その結果、異常鎖長のQ45-GFP、 Q81-GFPでは経時的かつPolyQ鎖長依存的な拡散時間(DT)の遅延、および1粒子あたりの蛍光強度(CPP)の増強を認めたことから、細胞内での経時的かつPolyQ鎖長依存的なオリゴマー形成が初めて明らかになった。 2.PolyQ鎖結合ペプチドQBP 1をQ45-GFPと共発現させた結果、Q45-GFPの経時的なCPP増強、DT遅延はいずれも抑制されたことから、QBP1は異常伸長PolyQ蛋白質のオリゴマー形成を抑制することが明らかになった。 以上の研究結果から、FCSはPolyQ病のみならずコンフォメーション病での細胞内オリゴマー検出と、その阻害薬スクリーニングに有用であると結論した。
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Research Products
(5 results)