2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18031026
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田村 厚夫 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (90273797)
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Keywords | タンパク質 / デザイン / ナノファイバー / 抗菌ペプチド / ナノチューブ |
Research Abstract |
タンパク質の人工設計を行う際、2つの視点を持っている。一つ目は、なぜ自然界のタンパク質は自動的に折りたたまって立体構造を形成し機能を果たすかという基本的な問題の解決を目指す視点である。このため、人工的に1つの因子に着目した人工タンパク質を設計し、自然界では隠された本質を探るものである。二つ目は、理由の如何にかかわらずとにかく人工的に機能化を果たし、その結果を振り返ることで構造機能についての理解を深めるという視点である。一つ目の視点としては、以下の2点について研究を行っている。 1)溶解度と構造形成との相関:タンパク質の立体構造がなぜ形成されてきたのか、特に進化的にいきなり機能を持った構造ができたのかどうかについて、「溶解度」の点から考察した。 2)機能と構造パラメーター(熱力学量を含む)との相関:機能の一例として、抗菌活性を取り上げ、ペプチドを設計し、その構造、疎水性などのパラメーターと機能との相関を探った。 また、二つ目の視点としては、以下の2点に着目した。 3)機能性ナノ構造体:ペプチドを環状化したものを、アミロイド線維のようにβシート様水素結合で積層化することで、中空のナノチューブを形成させた。 4)タンパク質機能の制御を設計に適用:構造転移能を持った機能性タンパク質として、ガン化に関与する小型Gタンパク質Rasおよびその類縁タンパク質を取り上げ、その構造多型を主としてNMR測定によって明らかにした。
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