2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18031037
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
依田 隆夫 Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, バイオサイエンス学部, 講師 (50367900)
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Keywords | タンパク質 / フオールデイング / 分子動力学シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / 2次構造 |
Research Abstract |
タンパク質の折れ畳において正しい2次構造が形成されることが重要である。そのためにはヘリックスやストランドを結びつけるターンやループの構造が正しく形成されることが重要である。我々はこのような観点に基づき、主に、βヘアピンペプチドであるG-peptideとその部分配列ペプチドの構造形成過程を分子シミュレーションによって研究した。平成19年度には以下の成果が得られた。 (1)G-peptideのターンに相当する部分配列ペプチドの自由エネルギー地形探索 単独でβヘアピンに折れ畳むG-peptideの部分配列(YDDATKTF)は、実験的には天然類似のターン構造が不安定であることが知られる。しかし水分子を多数含む系で拡張アンサンブルシミュレーションを行うことにより準安定状態である天然類似のターン構造の形成を頻繁に観察することができた。詳細なデータ解析の結果、芳香族側鎖同士が密に接していなくてもターンが形成されることが示された。構造形成の初期にD46とT49の側鎖間に水素結合が形成されることから、ターン部位に存在する親水的な相互作用が重要であることが示唆される。 (2)ヘリックス構造を多く含む水溶性タンパク質の折れ畳みシミュレーション アクチン結合タンパク質であるVillinのC末端近傍の36残基に相当するHP-36という分子はヘリックス主体の天然構造へ単独で折れ畳むことが実験的に知られている。この分子の折れ畳みのシミュレーションを水分子存在下で行った。天然構造に関する情報をあらかじめ与えずに行った計算において、観察された主鎖のRMSDの最小値は3.42Åであった。シミュレーションデータを解析した結果、疎水コアの天然類似の残基間接触が形成されるのはヘリックスの終端の位置が天然構造と一致している場合に限られることが示された。分子表面で主鎖構造が折れ曲がる部位の部分構造形成の重要性を物語る。
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Research Products
(1 results)