2007 Fiscal Year Annual Research Report
圧力軸実験を主とするアミロイド形成と解離メカニズムの研究
Project/Area Number |
18031040
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
赤坂 一之 Kinki University, 生物理工学部, 教授 (50025368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 准教授 (70126118)
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Keywords | ニワトリリゾチーム / アミロイド線維 / プロトフィブリル形成 / 熱変性 / シード / 部分モル体積変化 / アミロイド線維の成長機構 |
Research Abstract |
野生型ニワトリリゾチーム(SS結合を4つもつ4SS体)及びそのモデル系としてSS結合欠損変異体(0SS,1SS)を対象に、アミロイド線維形成に必須のプロトフィブリル形成・解離の機構をCD,AFM,高圧蛍光、高圧NMRを用いて総合的に研究し、また圧力解離等の基本となる、プロトフィブリル形成に伴う蛋白質の部分モル体積変化を、密度計により直接測定した。これまでの研究で0SS体の自発的プロトフィブリル形成過程が、大きな部分モル体積の増大と大きな圧縮率の増大を伴うことを明らかにしている。この結果は、アミロイド線維を形成するプロトフィブリルが空隙の大きな、揺らぎの大きな構造状態であることを初めて明確に示した。平成19年度ほこれを野生型ニワトリリゾチーム(4SS体)にも拡張した。安定な4SS体おいては線維(β-oligomer)形成は室温付近では起こらないが、低いpHで加熱(57℃)すると、生じた"熱変性"蛋白質が溶液内の種(シード)と反応して、β-oligomerが形成されることを明らかにした(Native lysozyme 〓 Denatured lysozyme)+seed ⇒ β-oligomer)。さらに、生成したプロトフィブリルの線維長がほぼ単一の指数関数分布に従うことから、4SS体においてもプロトフィブリルの成長は、0SS体の場合と同様に、線維の成長端にモノマーが常に一定の親和力で脱着することによって起こると考えられる。結論として、野生型ニワトリリゾチームのアミロイド・プロトフィブリルの成長はおよそ次のような逐次反応スキームに従って起こる。 (Native lysozyme 〓 Denatured lysozyme)+β-oligomer ⇒キキキ⇒ protofibril.
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Research Products
(12 results)