2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18031043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
油谷 克英 The Institute of Physical and Chemical Research, タンパク質結晶構造解析研究チーム, 上級研究員 (90089889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤野 雅英 独立行政法人理化学研究所, タンパク質結晶構造解析研究チーム, リサーチアソシエイト (10415177)
瀬川 新一 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70103132)
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Keywords | 超好熱菌 / ピロリドンカルボキシペプチダーゼ / DSC / NMR / foldingの律速 / 熱安定性 / CutA1 / 蛋白質の変性状態 |
Research Abstract |
超好熱菌Pyrococcus furiosus由来のピロリドンカルボキシペプチダーゼ(PCP))とP.horikoshii由来のCutA1(PhCutA1)の二種類の蛋白質を用いて、表記課題に取り組んだ。(I)PCPのrefolding速度の異常に遅い反応特性を利用すると、生理的条件下で平衡にあるD状態の構造が解明できる。このD状態のどのような構造的因子が鍵となって、foldingの律速となっているかを明らかにすることが本研究の目的である。明らかになった主な結果は(1)NMRのH/D交換実験から、D状態において異常に交換速度の遅い領域があり、その領域は天然構造のα6-helixに対応して、D状態でその部分が構造を取っていることを、野生型とそのα6ヘリックス(S188〜E205)の中間付近のAla199でのPro変異型とを比較することによって明らかにした。更に、ペプチドを用いたNMR研究から、D状態で、既にα6ヘリックスを形成しているのは、そのペプチドの固有の高いヘリックス形成能に起因していることが分かった。(II)PhCutA1は、pH7での変性温度が148.5℃という極めて高い値を示す。至適生育温度95℃のPhCutA1の熱安定化の熱力学的基盤を明らかにするために、生育温度の異なる2種類のCutA1(至適温度が75と28℃のそれぞれT.thermophilus(TtCutA1)とO.sativa(イネ)(OsCutA1))を比較対照として、DSCによる熱変性、CDによる変性剤変性実験を行った。その結果、PhCutA1の異常に高い熱安定性は、エンタルピーとエントロピーの両者の減少に起因して、特に、エントロピーの減少は異常に多く含まれているイオン性残基に原因すると説明できた。
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Research Products
(5 results)