2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質のアミロイド線維形成反応に関する構造・熱力学的研究
Project/Area Number |
18031046
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浜田 大三 Kobe University, 医学系研究科, 特命助教 (60372132)
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Keywords | アミロイド / 自己組織化 / 熱力学的解析 / 構造病 / 黄色蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
生体内で合成される蛋白質は、そのアミノ酸配列に特有の折れたたみ構造(天然構造)を形成することにより、その機能を発揮することができるようになる。一方、蛋白質アミロイド線維のような天然構造とは異なる規則正しい構造を持つ凝集体を形成することが、種々の疾患に関連することが、近年、明らかになってきた。 本研究では、アミロイド線維形成に関する構造生物学的・熱力的研究のための、基礎となる方法論、及び解析理論を確立し、その分子機構を解明することを目的として、以下の3件について、研究を行った。 1,βラクドグロブリン、αシヌクレイン、アルツハイマーA βペプチドを用いて、アミロイド伸長反応の臨界濃度測定とその尿素濃度依存性による熱力学的解析法を実施し、それぞれの反応の熱力学的パラメータの算出した。その結果、アミロイド伸長反応に関する自由エネルギー変化量と露出表面積の変化量は、比較的相関することが示唆された。 2,α A-クリスタリンのシャペロン活性を持つ機能ペプチドが、予想に反し、高いアミロイド線維形る成能を有することを示した。また、同様な性質が他のシャペロ活性を持つ蛋白質でも保存されていることが、理論的な蛋白質凝集形成能予測から示唆された。 3,黄色蛍光蛋白質融合体を用いた、特定のアミノ酸配列に対する凝集形成のアッセイ法とその信頼性に関する研究を行った。本系では、黄色蛍光蛋白質のN末端に対象となる蛋白質の配列をつないだ融合蛋白質において、上流配列の凝集形成能が形成能が高い場合、黄色蛋白質もミスフォールドするという経験則に基づいている。本研究により、多くの場合、このアツセイ法の信憑性は高いが、ある種の配列に対しては、凝集が形成されても黄色蛍光蛋白質の活性が低下しないことが、明らかになった。
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Research Products
(5 results)