2006 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン重合調節および殺癌細胞活性を持つスピロ環状アセタール天然物の全合成研究
Project/Area Number |
18032001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤原 憲秀 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20222268)
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Keywords | ゴニオドミンA / プロロセンチン / ペクテノトキシン2 / スピロ環状アセタール / アクチン作用性分子 / 殺癌細胞活性 / 全合成 / 生物活性天然物 |
Research Abstract |
特異なスピロ環状アセタール構造を有する、ペクテノトキシン2(PTX2)、ゴニオドミンA(GDA)、プロロセンチンは、それぞれアクチン脱重合活性、抗カビ活性とアクチン重合調節に起因する血管新生阻害活性、および殺癌細胞活性を持ち、医薬品のリード化合物として期待される。これら3つスピロ環状アセタール天然物の立体選択的・効率的・実用的合成法の完成を目的として研究を行った。 平成18年度は以下の成果を上げた。(1)ペクテノトキシン2(PTX2)のスピロ環状アセタール部の立体化学を大環状構造に組み込むことにより立体束縛効果でノンアノマー型に制御する方法を確立した。(2)PTX2の左右のフラグメントの合成を改良し従来より短段階で調製できるようになった。(3)PTX2の左右のフラグメントの連結、アノマー型スピロアセタール化、保護基のトリエチルシリル基への交換を経て、閉環メタセシスにより34員環マクロライド構造を構築した。(4)プロロセンチンのC8-C16、C17-C20、およびC22-C35フラグメントをの合成経路を確立した。(5)ゴニオドミンAの相対立体化学解明のため、ABC環部セグメントに相当する3種類のジアステレオマーを立体選択的に合成し、その相対配置に関する知見を得た。 さらに、PTX2ではスピロ環状アセタール部の異性化と脱保護の全合成最終段階を検討した。プロロセンチンでは上記3つのフラグメントの連結による中央部のスピロ環状アセタール部構築に着手した。ゴニオドミンAでは、ABCDE環部の合成を検討し、これをゴニオドミンAと同じ骨格の大環状モデル化合物に誘導して、天然物との比較により全体の相対配置を確認すべく予備的研究を行った。
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Research Products
(1 results)