2006 Fiscal Year Annual Research Report
イリド複合体を反応性分子素子とする連続型分子骨格構築法の開発
Project/Area Number |
18032002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授 (80107391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 精一 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (90261320)
穴田 仁洋 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (90344473)
南部 寿則 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80399956)
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Keywords | ロジウム(II)錯体触媒 / 不斉反応 / カルベン / 1,3-双極付加環化反応 / カルボニルイリド / アルデヒド / プソラコリリフォール類 / インドール |
Research Abstract |
ロジウム(II)錯体触媒を用いたカルボニルイリドの不斉1,3-双極付加環化反応に関する研究の遂行途上、アルデヒドおよびインドールが求双極子剤として適用可能であるという当初予想し得なかった新たな知見を発見した。その知見を基に新たな連続型分子骨格構築法の開発および生物活性物質の触媒的不斉合成を検討したところ、以下の成果を得ることができた。 (1)α-ジアゾケトンをイリド前駆体、芳香族アルデヒド求双極子剤とする不斉1,3-双極付加環化反応にRh_2(S-BPTV)_4を触媒に用いると、完璧なジアステレオ選択性および最高94%の不斉収率でエキソの二環性アセタールが得られることを見出した。また、付加環化生成物から5工程の変換を経て抗Helicobacter pylori活性を示す天然物プソラコリリフォール類の触媒的不斉合成を達成した。 (2)α-ジアゾ-β-ケトエステルをカルボニルイリド前駆体、N-メチルインドールを求双極子剤とする分子間不斉1,3-双極付加環化反応が完璧なエキソ選択性、最高99%の不斉収率で進行することを見出した。 (3)分子内にインドールを組み込んだα-ジアゾ-β-ケトエステルを基質とするイミドカルボニルイリドの分子内不斉1,3-双極付加環化反応を行うと、完璧なエンド選択性かつ66%の不斉収率でアスピドスペルマアルカロイドの基本骨格に誘導可能な五環性化合物が得られることが分かった。 (4)抗生物質プラテンシマイシン合成を指向した分子内にホルミル基とアリル基を組み込んだα-ジアゾ-β-ケトエステルを基質とする分子内1,3-双極付加環化反応を行ったところ、プラテンシマイシンのコア構造に変換可能な三環性化合物が低収率ながら単一のジアステレオマーとして得ることができた。
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Research Products
(7 results)