2006 Fiscal Year Annual Research Report
シクロブタンを構造素子とする創薬リード物質の迅速合成
Project/Area Number |
18032009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高須 清誠 東北大学, 大学院薬学研究科, 講師 (10302168)
|
Keywords | シクロブタン / 有機酸触媒 / (2+2)-環化付加反応 / 多成分反応 / 生理活性物質 / 全合成 / 官能基 |
Research Abstract |
トリフリックイミド触媒による官能基共存型反応の開発 独特な生理活性を発現する有機低分子化合物の多くは複数の官能基を所定の位置に有することが必要不可欠である。即ち、そのような物質を迅速かつ効率的に合成するためには、官能基共存下においても十分な触媒活性を担保した合成反応の確立が必須となる。18年度では、種々の官能基を分子内に有する基質を用いてシクロブタン形成反応を含むトリフリックイミド触媒反応を検討し、ニトリル、エステル、ケトン、エーテルが共存可能であることを明らかとした。しかし、シクロブタン形成反応ではアミド、アミン、イミン、カーバメートを共存させることは困難であり、次年度の課題となった。 シクロブタンを含む生理活性物の合成研究 シクロブタン環は極めて基本的な構造であるにもかかわらず、その実用的な合成法が限られているためシクロブタンを含む生理活性天然物の合成例は多くない。18年度は標的の天然物として神経作用物質であるpenitrem AおよびE、ならびに抗腫瘍作用をもつpaesslerin Aの全合成を目的に研究を展開した。前者では、市販のアルデヒドより短行程で合成できるテトラロン誘導体に対してシクロブタン形成反応を高立体選択的に行うことに成功した。いくつかの変換反応を施すことでpenitrem Eの左セグメントの合成に成功した。後者では、(4+2)-isomerization-(2+2)反応を触媒的に行うことで、基本骨格の一段階合成に成功した。その後、各種官能基変換をすることで全合成に近づいた。
|
Research Products
(6 results)