2006 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体と新規生体機能分子複合体のX線結晶構造解析
Project/Area Number |
18032012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海野 昌喜 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (10359549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照屋 健太 東北大学, 大学院医学研究科, 助手 (30372288)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / 原子レベル分解能 / X線結晶構造解析 / 生体機能分子 |
Research Abstract |
今年度は、イオンチャンネル型グルタミン酸受容体iGluRのうち、GluR5のリガンド結合ドメインの大量精製法の確立を行ってきた。リガンド結合ドメインはS1とS2と呼ばれる二つのドメインから構成されるので、それらを短いリンカー(Gly-Thr)でつないだものを遺伝子工学的に設計した。そのプラスミドを用いてOrigami大腸菌を形質転換し、目的蛋白質が大量に発現することは確認できたが、その多くがインクルージョンボディー(封入体)になってしまうという問題が生じた。そのため、続いて、蛋白質の可溶化条件を検討することになった。 まず、培養条件の検討を行った。誘導する時の温度は12度〜25度で変えていったが、発現量には差異が見られるものの、目的蛋白質はあまり可溶化しなかった。次に、誘導時のIPTGの量の検討を行った。10μM〜250μMまで濃度を変えていったが、IPTGの濃度を下げ発現を減らしたからといって、可溶画分に目的蛋白質はあまり得られなかった。また、様々な培地も試してみた。M9培地に変えてみたが、Origami大腸菌は増殖しなくなってしまう。またBL21(DE3)の大腸菌では増殖量、発現量は多いが、結局インクルージョンボディーが多くなってしまう。さらに誘導時間の検討を行った。1時間〜15時間程度の誘導時間を試すことで、6時間もあれば十分量の発現が得られることがわかり、25℃で6時間の誘導で可溶画分に目的蛋白質が多く得られた。だが、量的には不十分である。 それとは別にベクターの変換を試みた。分子シャペロンであるGroEL, ESとの共発現系を構築した。その結果、可溶画分に発現する目的蛋白質の量が少し増え、Ni-NTAカラムにおいて、その多くが回収できることが分かった。ただ、共発現した分子シャペロンも多くカラムに吸着するという問題が生じている。
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