2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規テトロドトキシン類縁体の単離と構造、活性、及びフグ体内変換
Project/Area Number |
18032014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 まり 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (50192430)
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Keywords | テトロドトキシン / フグ / LC / MS / Na+チャネル |
Research Abstract |
1.新規テロトドトキシン類縁体の単離と構造: 本研究では、未知であるテトロドトキシン(TTX)の生合成経路の解明に向けて、フグ体内での類縁体間の変換反応があるのかどうかを明らかにする。そこで、まず未知のTTX類縁体がフグ中に存在するのかどうかを我々が開発したHILIC-ESI-LC/MSを用いて調べたところ、ヒガンフグ卵巣中にdideoxyTTXに相当するpeakを認めた。卵巣200gから活性炭、イオン交換樹脂、ゲル濾過カラムを用いてLC/MSで検出しながら、約0.4mgを単離した。2DNMR, NOE解析により、6,11-dideoxyTTXと同定した。hemilactal型-10,7-lactone型の比は3:1であった。さらに、未知のdideoxyTTXの存在が明らかになった。 2.6,11-dideoxyTTXの生理活性: 本化合物15 micro gをddY系オスマウス体重15g2匹に腹腔内投与すると、どちらも3分以内に典型的TTX投与時の症状を呈して死亡した。7.5micro gを18gのマウス2匹に投与すると、片方は6分程度で死亡し、片方は生存した。このことから、IC50を420micro g/kgとし、TTXの42倍であった。本化合物は予想より毒性が強く、これまで重要とされたいたがTTXのC6-OHのNa+チャネルとの結合はそれほど重要ではない可能性が示された。
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