2007 Fiscal Year Annual Research Report
海洋産マンザミンアルカロイドの不斉合成研究と機能解明
Project/Area Number |
18032017
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西田 篤司 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (80130029)
|
Keywords | アルカロイド / マンザミンA / マラリア / フラン / Diels-Alder反応 / イミニウムカチオン / 不斉アリル化 / プメラー反応 |
Research Abstract |
本研究は抗腫瘍性,抗菌性,抗マラリア活性など多様な生物活性および複雑な骨格から注目されている海洋産アルカロイド,マンザミンA、マンザミンB、ナカドマリンAなどの合成し,精密な生物活性評価に必要な十分量のサンプル供給、誘導体合成,機能評価を目的としている. 1.中間体の光学分割を行い,フラン-イミニウムカチオン環化反応を経て、光学活性イルシナールAの全合成に成功した.さらにマンザミンAへの変換を検討した. 2.フラン-イミニウムカチオン環化反応の一般性を検討した.ピペリジン誘導体,ピロリジン誘導体について検討したところ大きな反応性の差が見られたが、いずれも反応は高立体選択的に進行することが判明した.本反応の他の天然物合成への応用を検討する. 3.マンザミンA,ナカドマリンAの共通合成中間体であるスピロラクタムの効率の良い不斉合成経路の開発を検討した.その結果,4-オキソ-ピペリジン-3-カルボキシレートの不斉アリル化を経て,クロスメタセシス,分子内マイケル反応を行い,目的物を得た。12工程,全収率70%にて光学的に純粋な中間体が合成できた.今後,本合成経路をもとに,ナカドマリンA、マンザミンAの改良合成,誘導体合成を検討する. 4.マンザミンAを単純化したβ-カルボリン誘導体を合成し,抗マラリア活性を測定したところ,弱いながら活性が観測された. 5.アミノジエンを用いる不斉Diels-Alder反応をかぎ段階としてマンザミンB中心ヒドロイソキノリン骨格合成に成功した.ケトンへの立体選択的アルキル化、プメラー反応を用いるホルミル基の導入によりマンザミンBのすべての立体中心を構築した.引き続き全合成に向けて検討中である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] Total Synthesis of Marine Alkaloids.2007
Author(s)
Suge, A.; Ohfusa, T.; Sogame, S.; Tokumaru, K.; Nagata, T. Arai, S.; Nishida, A.
Organizer
The Nineteenth French-Japanese Symposium on Medicinal and Fine Chemistry
Place of Presentation
Toyama
Year and Date
2007-05-14
-
-