2007 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疾患に関わるシグナル伝達分子を標的とした天然機能分子の探索
Project/Area Number |
18032020
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石橋 正己 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (90212927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 緑 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (40373261)
大槻 崇 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (30401011)
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Keywords | 薬学 / 有機化学 / シグナル伝達 / 癌 / 生理活性 / 天然物 / 探索 / スクリーニング |
Research Abstract |
当研究室独自に構築した未利用天然物ライブラリーを用いて,主に癌に関連するシグナル伝達分子であるTRAILおよびWntシグナル等を標的とした天然物の探索を行った. 1.デス受容体の一つとしてDR5(=TRAIL-R2)に着目し,タイ産Millettia brandisiana(マメ科)について,DR5誘導作用をもつ活性成分の探索を行った.その結果本植物より新規イソフラボノイドbrandisianin A-Fを含む11種の化合物を単離した.これらのうち,brandisianin Dが17.5μMでコントロールに比べて2.4倍のDR5プロモーター活性を上昇させることが判明した.またTRAIL耐性AGS細胞に対してTRAILとbrandisianin Dの併用処理により有意に細胞生存率が減少させた.この結果から,brandisianin DはDR5の発現誘導を介してTRAIL感受性を増強させたものと示唆された. 2.Wntシグナル伝達経路における転写因子TCFの転写活性化を抑制する天然物に着目し,タイ産Eleutherine palmifolia(アヤメ科)について活性成分の探索を行った.TCF転写阻害活性は,TCF結合領域を有するルシフェラーゼレポータープラスミドを安定導入した293T/STF細胞株によるアッセイシステムを用いた.本植物のメタノール抽出物について,活性試験を指標とした分画を行い,10種の化合物を単離した.これらの化合物のうち3種は新規ナフトキノン配糖体であり,Eleutherinoside A,B,及びCと命名しそれぞれ構造を決定した.これらの化合物は顕著なTCF転写阻害活性を有していた.
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