2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を利用した新規トリテルペンサポニンの探索
Project/Area Number |
18032024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渋谷 雅明 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (50170923)
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Keywords | シロイヌナズナ / トリテルピン / 水酸化酵素 / ダイズ / ソヤサポニン / CYP93E1 / イソマルチフロレノール |
Research Abstract |
1 シロイヌナズナの13種のオキシドスクアレン閉環酵素遺伝子の機能解析 シロイヌナズナの全ゲノムが解読され、13種のオキシドスクアレン閉環酵素遺伝子の存在が判明した。このうち酵素機能の同定されていない9種のホモログは、既知の酵素と配列上の相同性が低く、異種生物での発現により新規トリテルペンモノアルコールを与える可能性が非常に高い。そこで、まず、機能未同定の9種のホモログについて機能の同定を試みた。ゲノム配列を基にORFを予想し、プライマー設計した。cDNAプールを鋳型にPCRを行いホモログのcDNAを増幅し、5種の遺伝子を得た。それらを、酵母の発現ベクターに組み込み、ラノステロール合成酵素欠損の酵母変異株に導入し、生成物の単離後、各種スペクトルを測定し構造を決定した。その結果、At1g66960は4環性トリテルペン合成酵素、At5942600はマーネラル合成酵素、At1g78500はセコアミリン合成酵素、At4g15340はアラビジオール合成酵素、At4g15370はバウオール合成酵素であることが判明した。 2 トリテルペン水酸化酵素のクローニング トリテルペン水酸化酵素はチトクロームP450型の酵素と考えられている。ソヤサポニンを生産するダイズのEST情報を基にクローニングを試みた。全長配列が明らかになっているもの4種をPCRで増幅し、酵母で発現させ、機能の同定を試みた。しかし、いずれにおいても、β-アミリンに対する水酸化活性は検出できなかった。 唯一クローニングがなされているダイズ由来トリテルペン水酸化酵素CYP93E1の機能解析を行った。CYP93E1と5種のオキシドスクアレン閉環酵素を酵母で共発現させ、生成物を調べた。その結果、CYP93E1はβ-アミリンの他、イソマルチフロレノールに対しても水酸化活性をもつことが判明した。
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Research Products
(6 results)