2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18032026
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
影近 弘之 東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 教授 (20177348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 智也 東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 助手 (20396980)
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Keywords | レチノイド / 核内受容体 / アンタゴニスト / 甲状腺ホルモン / チアゾリジンジオン / 蛍光プローブ / クマリン / コンビナトリアル合成 |
Research Abstract |
本研究課題では、核内受容体機能を特異的に制御する分子を創製することによって、核内情報伝達ネットワークの解明を目的とし、これらが関与する疾患の新たな治療薬開発の基盤とするものである。本年度は以下の項目について検討し、新規化合物を得た。 1)バーチャルスクリーニングにより提示されたリガンド候補化合物をリードとして構造展開することにより、ヒト白血病細胞HL-60の分化誘導試験において、合成レチノイドAm80の作用を強力に抑制するレチノイドアンタゴニストを見いだした。本化合物は、レチノイドの2種類の核内受容体(各3種のサブタイプ、計6受容体)を用いた転写活性化試験により、RARαサブタイプ選択的なアンタゴニストであることがわかった。 2)甲状腺ホルモン(チロキシン)の核内受容体TRのアンタゴニストとして、天然リガンドが持つジフェニルエーテル骨格をジフェニルアミンに変えた化合物を設計した。極性基としてチアゾリジンジオン環を持つ化合物で、ジフェニルアミン骨格の窒素原子上にかさ高いアルキル基を持つ化合物にTRαおよびβアンタゴニスト活性を見いだした。 3)細胞内情報伝達ネットワーク解析のための蛍光プローブ開発を目的に、環境に応じて蛍光特性の変化する化合物の創製を行った。単一の出発物質から多数の化合物を効率良く合成していくコンビナトリアル合成によって構築される化合物ライブラリーが有用であると考え、クマリンを蛍光団として、種々のボロン酸誘導体とSuzuki-Miyauraカップリング反応を行うことにより、クマリンライブラリーを構築した。本ライブラリーから、一酸化窒素等の分子種を検出することが可能な蛍光センサーや、溶媒の極性の変化を鋭敏に検出する蛍光物質を得ることに成功した。
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