2006 Fiscal Year Annual Research Report
多環状グアニジンアルカロイドを用いるタンパク質複合体化の制御と機能解析
Project/Area Number |
18032027
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長澤 和夫 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (10247223)
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Keywords | Batzelladine / 全合成 / グアニジンアルカロイド / gp-120 / CD4 / タンパク質間相互作用 / 構造活性相関 / 標的蛋白質 |
Research Abstract |
多環状グアニジンアルカロイドBatzelladine A〜Eは、HIV表層に存在する糖タンパク質gp-120とT細胞上に存在するタンパク質CD4細胞外領域との結合を阻害する。一方Batzelladine F〜1は、CD4の細胞内領域に恒常的に結合しているチロシンキナーゼp56^<lek>の解離を促進する。Batzelladine類の標的タンパク質と結合部位を明らかにし、活性発現メカニズムを明らかにすることを目的と.して研究を行った。 これまでに、Batzelladine類に共通の環状グアニジン骨格を立体選択的に構築する手法を確立し、Batzelladine A及びBatzelladine Dの全合成を達成している。さらに確立した合成法をもとに、ジアジリンおよびビオチン官能基を有するBatzelladine D誘導体プローブ化合物を合成し、Batzelladine A〜Dの標的タンパク質が、CD4であることを、さらにその結合サイト(可能性のある)の同定に成功している。本年度は、もう一群のBatzelladine類である、Batzelladine F等の標的タンパク質を同定することを目的に、その合成法の開発を行った。モデル化合物を用いた実験により、1,3-双極子環化付加反応を基盤として、Batzelladine F類に共通する左側3環性グアニジン骨格の立体選択的合成法の開発に成功した。今後、本手法を基盤としてBatzelladine Fの全合成を行い、その標的タンパク質の同定、またBatzelladine類のタンパク質間相互作用メカニズムに関する解析研究を進める。
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