2006 Fiscal Year Annual Research Report
カスケード型ヘテロ付加環化反応を基盤とする生物活性天然物の合成
Project/Area Number |
18032032
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
平井 美朗 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (70111747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 正宏 富山大学, 理工学研究部(理学), 助教授 (70209899)
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Keywords | ヘテロ付加環化反応 / 2価のパラジウム触媒 / グリコシダーゼ阻害 / fagomin / スピロレタール環 / ribose / 分子内Heck反応 / cembranoid |
Research Abstract |
我々は,これまで,Pd(II)触媒を用いる分子内ヘテロ付加環化反応を見いだし,数種の生物活性天然物の合成への適用を行ってきた。今回、この反応のさらなる展開を目的として、新たなアザ糖類の合成を検討した。また、本反応を、糖類の合成やカスケード型の分子内ヘテロ環化反応に応用することによってスピロケタール構造の新規構築法の開発を検討した。また,分子内Heck反応を利用して大員環状天然物の合成も併せて検討した。 結果として、(1)アリルアルコールを有するウレタンのPd(CH_3CN)_2による環化反応を行うことにより,環上に多くの官能基を有するピペリジン体を立体選択的に得ることができた。さらにこれより、強力なグリコシダーゼ阻害作用を有するアザ糖であるfagominの合成に成功した(Tetrahedron Asymmetry 2007 in press)。また、(2)カスケード型ヘテロ付加環化反応を行う事により、立体選択的にスピロ環体を得ることに成功した。現在、抗菌作用を有するspirofungin Aの合成を検討中である。本反応による糖類(R- or S- ribose)の簡易な合成にも成功した(第48回天然有機化合物討論会講演要旨集、2006、649、仙台)。さらに、(3)分子内Heck反応を利用して大員環構造を有するcembranoidの構築に成功した(Synlett, 2007, 2649)。
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