2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン依存的タンパク質分解系に作用する低分子化合物の海洋資源からの探索
Project/Area Number |
18032033
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (40192190)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横沢 英良 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90012765)
|
Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / 海洋無脊椎生物 / 海洋由来微生物 / 抗がん剤 / 細胞毒性 / p53 / タンパク質分解系 |
Research Abstract |
生体内で不要になったタンパク質は、ユビキチン化された後プロテアソームにより選択的に分解されるが、この分解系を阻害する物質が、新しい機序で作用する抗がん剤として期待されている。そして、私たちは、新規抗がん剤の開発を目指して、この系に対する阻害物質を天然資源から探索している。そして既に、(1)プロテアソームに対する阻害物質として種々のagosterol誘導体及びsecomycalolide A、(2)ユビキチン活性化酵素に対する阻害物質としてhimeic acid A、(3)がん抑制タンパク質p53とそのユビキチンリガーゼであるHdm2との相互作用を阻害する物質として(-)-hexylitaconic acid、及び、(4)p53がポリユビキチン化された後にプロテアソームへと運搬されるステップに対する阻害物質としてgirollineを、海綿や海洋真菌から発見・単離した。一方で、ユビキチン系の構成因子であるE2の一つであるUbc13-Uev1A複合体の形成を阻害することにより、p53の作用が増強されると期待される。そして、海綿Leucetta microrhaphisの抽出物がUbc13-Uev1A結合阻害活性を示したので、活性物質の精製を行った。そして、以前、抗菌物質として報告されていたleucettamol Aを得ることができた。この成果については、現在論文を投稿中である。そして、2008年2月に行われたGordon Research Conference(Marine Natural Products)、および、2008年3月に横浜で行われた日本薬学会第128年会においても、成果報告を行った。さらに薬学会では、これまでに行った関連する成果について、シンポジウムにおいて講演を行った。一方、総説「展開するプロテアソーム阻害剤研究」が、実験医学増刊に掲載された。
|