2006 Fiscal Year Annual Research Report
痛覚に関わるアクロメリン酸受容体探索プローブの創製
Project/Area Number |
18032034
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古田 享史 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40173538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 幹雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (40192687)
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Keywords | アクロメリン酸 / アロディニア / 光親和性標識プローブ / POPA / アゴニスト / アンタゴニスト |
Research Abstract |
天然キノコ毒のアクロメリン酸の構造を単純化したフェノキシプロリン型類縁体POPAのアロディニア誘発活性における4位の立体化学の影響を検討するため,RからSにした立体異性体を設計した。POPAの合成中間体である4-ヒドロキシプロリン誘導体から,芳香族カルボン酸を用いた光延カップリング-加溶媒分解により立体化学を反転させて調整したアルコール体と4-ヒドロキシ安息香酸メチルを光延カップリングさせ,4S型POPA類縁体を合成した。この化合物をマウス髄腔内に投与し,アロディニア誘発活性を検証したところ,全くアロディニアを誘発しないことが判明した。しかしながら,この化合物をアクロメリン酸と同時にマウス髄腔内に投与したところ,アクロメリン酸によるアロディニア誘発作用が濃度依存的に抑制されることがわかった。すなわち,当該化合物は,アクロメリン酸やPOPAとの結合によりアロディニア作用を誘発する受容体のアンタゴニストとして働いている可能性が考えられる。このアロディニア誘発抑制作用における化合物の構造活性相関を明らかにするため,種々の置換基を持つ類縁体を設計し,前記の手法および芳香族求核置換反応を用いる合成ルートにより合成した。得られた化合物の,アクロメリン酸によるアロディニア誘発作用の抑制活性を検討した結果,ベンゼン環上にカルボキシ基を持つ化合物は極めて強い抑制作用を示すが,無置換の化合物や,アロディニア誘発で強い作用を示した官能基を持つ化合物はほとんど活性がないことがわかった。一方,アロディニァ誘発に関わる受容体を捕獲・同定するため,POPAを基にしたnon-RI型2官能性光親和性標識プローブを設計し,その合成に成功した。さらに,生体における受容体発現部位を探索するためのプローブとして,放射ラベル化合物を設計し,そのコールド体を合成した。合成した化合物が強い活性を示すことを確認したため,標識体の合成を検討している。
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