2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18032037
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (90210690)
|
Keywords | アントシアニン / 合成 / カテキン / プロシアニジン / フラベノール / 空気酸化 / シアンジン3-グルコシド / ロイコアントシアニン |
Research Abstract |
1.マメ種皮に含まれるポリフェノール類の探索と合成 赤小豆(Vigna angularis)の種皮色素は、70年以上にわたり日本で研究されてきた。しかし、色素の実体は未解明な上、小豆餡がなぜ紫色となるのかも不明である。我々は、種皮を凍結後抽出し、HPLC分析することにより、種皮には、わずかな量のシアニンと多量の無色ポリフェノール類が含まれること、製餡加工によりこれらが渋として除去されて、餡が紫色となる機構を見いだした。本研究では、種皮成分の生理機能を明らかにするべく、単離精製を行った。カテキン類、配糖化フラボノール、プロシアニジンの構造を決定した。同時に、プロシアニジンの構造を確定するため、位置および立体選択的な縮合法を開拓し、プロシアニジンオリゴマーを合成した。 2.アシル化アントシアニンの合成研究 アントシアニンは、様々な生理機能が注目される植物成分である。しかし、合成法に関してはRobinsonら(1930年代)以降、画期的な進展がない。そこで、効率的で柔軟な手法の確立を目指した。アシル化フラボノール配糖体を還元してアントシアニジン骨格を形成させる経路を検討した。並行して、カテキンのフェノール基を保護した後3位を配糖化し、4位を酸化して、生合成中間体のロイコ体を得た。このままでは、アントシアニンへの酸化反応が進行しなかったため、これを脱水することにより、鍵中間体の配糖化フラベノールに導いた。この化合物は、温和な空気酸化によりアントシアニンへと変換できた。本経路により、シアニジン3-グルコシドを合成した。
|
-
[Journal Article] Perianth bottom-specific blue color development in tulip cv. Murasakizuisho requires ferric ions.2007
Author(s)
Shoji, K., Miki, N., Nakajima, N., Momonoi, K., Kato, C., Yoshida, K.
-
Journal Title
Plant Cell Physiollogy 48
Pages: 243-251
-
-
[Journal Article] A novel and efficient synthesis of cyanidin 3-O-β-D-glucoside from (+)-catechin via a flav-3-en-3-ol as a key intermediate.2006
Author(s)
Kondo, T., Oyama, K., Nakamura, S., Yamakawa, D., Tokuno, K., Yoshida, K.
-
Journal Title
Organic Letters 8
Pages: 3609-3612
-