2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジエンアセタールを利用する生物活性化合物の実用的合成
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18032043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)
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Keywords | キラルアセタール / シクロヘキサジエンアセタール / 分子内ハロエーテル化反応 / (+)-Sch 642305 / ラジカル還元 / マクロラクトン化 / 10員環マクロライド / Chiral Auxiliary Multi-Use Methodology |
Research Abstract |
研究課題であるジエンアセタールを利用する生物活性化合物の実用的合成に関連して、シクロヘキサジエンアセタールに対する分子内ハロエーテル化反応を利用して、(+)-Sch 642305の不斉全合成研究を行い、以下の成果を得た。 1)分子内ハロエーテル化反応性生物から、多くの含多置換シクロヘキサン生物活性天然物の不斉合成の有用なキラルシントンとなるエノンアセタールの効率的合成に成功した。 2)含水エタノール中で進行する緩和なラジカル還元反応条件を見出し、非常にエピメリ化しやすい化合物を本ラジカル反応に付し、効率的2級水酸基還元に成功した。また本反応条件をより単純な構造の化合物に応用し、その一般性を明らかにした。 3)効率的マクロラクトン化法を見出し、(+)-Sch 642305の主要パートである10員環マクロライドの形成に成功した。 4)最後に不斉補助基を除去することにより、(+)-Sch 642305の効率的不斉合成に成功した。 本不斉合成において、不斉源のユニットは最初から最後まで立体選択的な変換反応、および水酸基の保護基として働いている。すなわち本合成を通じて、このように不斉源のユニットを立体選択的な変換反応、および保護基として高次に利用する手法(Chiral Auxiliary Multi-Use Methodology)が、光学活性化合物の効率的不斉合成に有用であることを実証した。 さらに、本研究過程で見出したエノンアセタールの興味ある反応性についても検討し、新たな研究展開の足がかりを得た。また我々の開発したマクロラクトン化の有用性を多くの化合物で実証した。
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