2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18032044
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
小松 満男 阿南工業高等専門学校, 校長 (60029197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南方 聖司 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90273599)
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Keywords | シリレン / シクロ付加 / シラカルボニルイリド / 含ケイ素ヘテロ環 / 三環性縮環化合物 / ポリオールアルカロイド / (-)-petasinecine / (-)-macronecine |
Research Abstract |
平成18年度は、中性の2価反応種であるシリレンとカルボニル化合物から発生する1,3-双極子であるシラカルボニルイリドの分子内シクロ付加を利用した、様々な含ケイ素ヘテロ環化合物の効率的合成法の確立、および天然、非天然ポリアルカロイドの合成を指向した研究を推進した。 1.シラカルボニルイリドの分子内シクロ付加反応 シラカルボニルイリドの分子間シクロ付加反応により含ケイ素ヘテロ環化合物を効率的に合成できるという前年度までに得られた知見を基に、本反応を分子内シクロ付加に展開した。この反応により、複数のヘテロ原子を含む複雑な多環性化合物を簡便に合成することが可能となる。中でも、N-アリル含窒素ヘテロ環をもつアルデヒドを用いた反応により、窒素原子を橋頭位にもつ含ケイ素多環性縮環化合物を容易に合成することに成功した。このシクロ付加体のケイ素-炭素結合を酸化的に切断することにより、二環性のポリオールアルカロイドへと誘導できた。さらにこの研究の過程で、ジエチルエーテルを溶媒に用いることによりシリレンが安定化され、これまで大過剰に用いていたアルデヒドを3当量まで減らしても高収率で反応が進行することを見出した。 2.天然、非天然ポリオールアルカロイドの鍵中間体の合成 上記の反応を利用した、天然、非天然ポリオールアルカロイドの鍵中間体の合成を検討した。反応基質にN-アリル含窒素不飽和ヘテロ環をもつアルデヒドを用いた反応では、非天然テトラオールアルカロイドの鍵中間体である含ケイ素シクロ付加体を得ることに成功した。一方、本手法を活用することにより(-)-petasinecineや(-)-macronecineなどの天然の生理活性物質を容易に合成可能であると考え、それぞれの化合物の逆合成解析、必要な含窒素ヘテロ環を含むアルデヒドの合成、およびシラカルボニルイリドのシクロ付加反応について検討し、基礎的な知見を得た。
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Research Products
(6 results)