2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18032044
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
小松 満男 Anan National College of Technology, 校長 (60029197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南方 聖司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90273599)
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Keywords | シリレン / シクロ付加 / シラカルボニルイリド / 含ケイ素ヘテロ環 / 三環性縮環化合物 / ボリオールアルカロイド |
Research Abstract |
平成19年度は、前年度に見出した中性の2価反応種であるシリレンとカルボニル化合物から発生する1,3-双極子であるシラカルボニルイリドの分子内シクロ付加を活用し、天然、非天然のインドリジジン系ポリオールアルカロイドの合成を検討した。 1.分子内1,3-双極子シクロ付加反応によるインドリジジン骨格形成のためのアルデヒド基をもモつ含窒素ヘテロ環合成 L-プロリンを出発原料とし、6段階で1位にホルミルメチル基および2位にビニル基を有する光学活性なピロリジンを合成し、シリレンとの反応による分子内シクロ付加を検討したが、目的の環化反応は進行しなかった。これは、この分子がもつ第3級アミンの塩基性が、自己の不安定さを招いていると考え、次に、L-ピログルタミン酸を原料として、8段階で同様の2種の官能基をもつピロリドンの合成を達成した。 2.天然、非天然ポリオールアルカロイドの合成 上記で合成したアルデヒドのシリレンとの分子内シクロ付加を検討したところ、3環性の含ケイ素ヘテロ環骨格を構築することができた。この化合物は玉尾酸化することにより、2種のアルコール官能基を有するインドリジジンのアミド誘導体へ容易に変換することができた。この段階で、その立体化学を^1H NMRを用いて詳細に調べたところ、(+)-macronecineの前駆体であることが判明した。続いてアミドのカルボニル基を還元することにより、(+)-macronecineの全合成に成功した。この(+)-macronecineは、天然に存在する(-)-macronecineのエナンチオマーであるが、出発のキラリティーが逆のものであるD-ピログルタミン酸を用いれば天然物の合成が可能である。 このように、本研究で見出した、シリレンとアルデヒドとの反応によるシラカルボニルイリドを経由した分子内シクロ付加反応が、天然物合成の鍵反応となることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)