2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子プローブのデザイン・合成による細胞情報伝達に関わる蛋白質活性の可視化
Project/Area Number |
18032045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 和也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70292951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 進 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (30420433)
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Keywords | 蛍光センサー / 可視化 / 生体内分子 / MRI / 長寿命蛍光 / 分子集合化 / 蛋白質修飾 / イメージング |
Research Abstract |
本研究は生体内子を可視ヒするためにプローブ分子を作製して生体内情報変換を解析することを目的とする.このため,標的分子との認識あるいは酵素反応によって蛍光特性や磁気特性が変化し,生体内分子機能を読み取り可能な情報に変換できるプローブ分子をデザイン・合成する. 現在,ポストゲノム時代における重要な研究課題として生体内に作用する分子の機能を,生きているその場で解明することが挙げられている.この点の解明には細胞や個体をばらばらにしないで,生きたまま機能を調べることができれば多くの情報が得られると考えられる.この結果,生きた状態における作用解析が可能となり,生命科学研究に寄与することができる. 平成17年度までに蛍光プローブをデザイン・合成することにより,細胞内分子の動態を分子が機能しているその場で可視化することに成功してきた.本申請ではこの可視化の対象を細胞イメージングにとどまらず,個体レベルにおける可視化に広げる.さらに細胞内子をより高精度に捉えることができる時間分解蛍光測定用プローブを開発する.本申請ではランタノイド金属錯体を母核にし,生体内分子との反応を磁気情報あるいは光学情報のアウトプットとして引き出すためのスイッチ部分をデザインする. 本年度は,光誘起電子移動(PeT)の原理を機能性ランタノイド(Eu^<3+>)錯体に組み込み,酵素反応や生体内分子と反応することで電子供与性が変化し,その結果長寿命蛍光強度が変化するプローブをデザイン・合成する.ランタノイド蛍光錯体の蛍光強度を変化させる機能性錯体はこれが初めての例である.この結果,幅広い分子に対して高精度のセンシングを行うことが可能となる.具体的な測定対象としては,細胞内情報伝達に関与する酵素活性についてモニタリングするプローブを作製した.
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Research Products
(4 results)