2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子プローブのデザイン・合成による細胞情報伝達に関わる蛋白質活性の可視化
Project/Area Number |
18032045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 和也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (70292951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30420433)
堀 雄一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00444563)
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Keywords | MRI プローブ / Gd^<3+>錯体 / 縦緩和時間 / in vivo イメージング |
Research Abstract |
生体分子の機能を生きたまま可視化する技術は、現在の生命科学・医学の分野で重要な役割を果たしている。MRIは、非侵襲的に生体を可視化する方法のひとつであり、放射線被爆がなく優れた組織コントラストで生体の断層画像が得られるという特徴を有している。しかしながら、個体レベルでの優れたイメージング法であるのにも関わらず、現在のところ、生体分子の機能を可視化するMRIプローブの開発は、ほとんどなされていない。本研究では、生体分子の機能を可視化するためにGd^3+錯体を利用したMRIプローブの設計を行った。Gd^3+錯体は、水分子の水素原子核の縦緩和時間を減少させることにより、T1強調画像においてGd^3+錯体の位置している部位のシグナルを増強させる。さらに、生体高分子との相互作用により、分子運動が低下し縦緩和時間をさらに減少させることが知られている。そこで、Gd^3+錯体と酵素反応部位及び生体高分子(アルブミン)との相互作用部位から構成されるプローブの設計を行った。アルブミン相互作用部位は、酵素反応が起こるまでアルブミンと相互作用しないように酵素反応部位によりマスクした。そして、酵素を遺伝子発現のレポーターとして用いられるβ-ガラクトシダーゼとして酵素反応部位を設計した。その結果、酵素反応によりプローブの反応部位が解離しアルブミン相互作用部位が露出し、プローブがアルブミンと相互作用し水分子の水素原子核の縦緩和時間を減少することが示された。このように、NMR現象を用いて遺伝子発現を可視化することのできるプローブの作製に成功し、in vivoイメージングへの基盤技術が確立された。
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