2006 Fiscal Year Annual Research Report
アリルシアナートの転位反応を活用した生体機能分子の実用的合成
Project/Area Number |
18032055
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
市川 善康 高知大学, 理学部, 教授 (60193439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小槻 日吉三 高知大学, 理学部, 教授 (80093954)
中野 啓二 高知大学, 理学部, 講師 (50399747)
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Keywords | 生体機能分子 / 天然物化学 / 有機化学 / 合成化学 / 転位反応 / アミノ酸 / 立体選択的 / 海洋天然物 |
Research Abstract |
海洋生物である海綿よりPietra等はアゲラスタチンAを見いだした。その構造は臭素化されたピロールをもつ四環性のアルカロイドであり,多様な生物活性を示す。しかし天然から得られる量が限られており,化学合成による供給が望まれている。最初のラセミ体の全合成は,1999年にWeinreb等が報告している。そこで,アリルシアナートの転位反応を鍵反応とした光学活性なアゲラスタチンAの全合成を計画した。レアラビトールを出発原料としてα,β-不飽和アルデヒドを合成した。Soai等によって報告されているジエチル亜鉛の不斉付加反応を用い,アリルアルコールとした。引き続き,アリルシアナートの転位反応による不斉転写によってカルバメートを得た。閉環メタセシス反応を用いシクロペンテン骨格の構築を行い,2回目の転位反応を行い1,2-ジアミノ骨格をもつシクロペンテン中間体の合成に成功した。さらに臭素原子を2つ有するピロール環を導入して,分子内マイケル反応を用いてB環を構築した。最後にCbz基の除去を行いメチルイソシアナートとの反応によってN-メチルウレア基を合成した。最後にNBSを用いてブロム基をピロール環に導入して全合成を完成した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] A Stereocontrolled Route to Vicinal Diamines by Allyl Cyanate-to-isocyanate Rearrangement : Asymmetric Synthesis of anti (2R,3R)- and syn (2R,3S)-2,3-Diaminobutanoic Acids2006
Author(s)
Ichikawa, Y., Egawa, H., Ito, T., Isobe, M., Nakano, K., Kotsuki, H
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Journal Title
Org. Lett. 8
Pages: 5737-5740
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[Journal Article] A Novel Design of Roof-shaped Anthracene-fused Chiral Prolines as Organocatalysts for Asymmetric Mannich Reactions2006
Author(s)
Sasaoka, A., Uddin, M-I., Shimomoto A., Ichikawa, Y., Shiro, M., Kotsuki, H
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Journal Title
Tetrahedron : Asymmetry 17
Pages: 2963-2969